『温泉めぐり』と『日本奥地紀行』

現在読み進めている、田山花袋『温泉めぐり』

温泉めぐり (岩波文庫)

温泉めぐり (岩波文庫)

田山花袋といえば、自然主義文学の巨頭でありますが
(『蒲団』なんかもそうかも知れんが、ありのまま過ぎて
ただの「ムッツリすけべおやじの独白」って言ってしまえばそこまでw)
先日偶然見つけた、『温泉めぐり』。
これがなんともたまらん感じでして。
「風呂がひどすぎる」とか「設備がだめ」とかばっさり切りまくりなのですが、
なにか嫌なかんじがしないんですわ。
えらそうな感じがしないというか、なんというか。
硫黄泉、炭酸泉の別やら、鉱泉だのわかし湯だの出てきて興味深い。
知ってる旅館も出てくる出てくる。
蔵王も「高湯温泉」の名で出てくる出てくる。
非常に旅ごころをくすぐられる内容で、たまりません。
ぜひどうぞ。



・・・で、紀行文ということでは、
イザベラ・バード『日本奥地紀行』の話。
明治初期にお付きの日本人1人従えて、東北あたりまで旅行したイギリス人のおばさん。
山形の置賜地方を「東洋のアルカディア」とたたえたことで、
山形では知られている(・・・そうでもない?そうか・・・マニア知識か・・・)
こちらは10年くらい前に呼んだのですが、
非常に面白い内容で、外国人からみた日本、開国前の日本を知るのには絶好の書です。
・・・で、
今日は山形のかみのやま温泉の某旅館「古○」の女将さんと
イザベラ・バードのネタですっかり盛り上がってしまいました。
この方は今では山形女将会の会長ですが、
もともとは山口出身で、いろいろと苦労されたそうで
その時に日本奥地紀行から薫陶を受けたとのこと。
これもおすすめ。
日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)





ということで、夏休みが終わってしまったので、
紀行文で夏休み満喫中です。