■
肉親に会うのはやっぱり嬉しい。
大学生になりたての頃、周りにホームシックになっている人が何人もいた。
そんな中、私はそんなことになる気配もなく、気ままにひとり暮らしを楽しんでいた。
ありがたいことに両親は干渉しない方であるから、
ほとんど連絡を取り合わずにいた。
4年の今、
私には人並みに友人もいるし結構いろいろと忙しいのだけれども、
今までの3年間の中で最も親や兄弟の存在を欲している。
遅れてきた、ホームシック。
母や妹と話すことは、とても楽ちんなことなのだ。
自分の価値観、自分の気持ち。
全部ではなくとも、だいたいわかってもらえているというのは
ほっとする。
異文化とも言える他人とのコミットは
とても楽しいし、刺激的なことではあるから
好きなのではあるが。
この歳だからこそ、
差し迫ったこの歳だからこそ、
感じるホームシック。
そういうことにしておこう。
母が作ったおからの煮物を食べつつ、
考えた。